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タイで失敗しない採用の秘訣。PERSONNEL CONSULTANT MANPOWER(THAILAND) CO., LTD.

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 タイ・バンコクで最も長く運営している人材紹介会社「PERSONNEL CONSULTANT MANPOWER(THAILAND) CO., LTD.」の代表取締役社長・小田原 靖(おだはら やすし)氏。タイの人材紹介のプロに「離職率が高いタイで失敗しない採用の秘訣」を聞いた。

PERSONNEL CONSULTANT MANPOWER(THAILAND) CO., LTD. 社

 1994年の11月の立ち上げから、23年もの間タイのバンコクで人材紹介事業のトップを走り続ける。これまでの取引日系企業数は9,000社以上。タイバンコクで初の日系人材紹介PERSONNEL CONSULTANT MANPOWER(THAILAND)CO.,LTDは、1994年11月に小田原氏がバンコクで設立した日系人材紹介会社だ。

設立以来一貫して日系企業が顧客で、2011年には年間の紹介者数が2,000名を突破。2008年から昨年まで、タイの人材紹介会社の中では最多の紹介者数を誇り、2008年にはタイ政府から最優秀人材紹介会社の表彰も受けている。近年ではレンタルオフィスOFFICE23、セミナー、トレーニング運営会社など4っのグループ会社を立ち上げ、人材紹介のみに留まらず多角的に事業を拡大し続けている。


PERSONNEL CONSULTANT社のポリシー。「我々が会った人しか紹介しない」

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 この23年間で変わったことは?同氏、「タイ人が大きく成長した点が最も変化したことですね。語弊があるような言い方になってしまいますが、昔は仕事とは何かわかっておらず、上手く仕事ができなかったこの国の人達が、今では仕事ができる人が増えて、20年前はどのポジションにおいても経験者がいなかったのが、今ではどんな業界でも経験者を探すことができるようになりました。」

20年前と比べて情報技術が進歩した今でも、同社が創業以来ずっと大事にしていることがFace to Faceだ。求人企業の採用担当者に会って話を聞き、その一方で1日40人〜50人、月1,500人の日本人、タイ人求職者全てに必ず弊社社員が会って話を聞く徹底ぶりだ。

原則は「我々が会った人しか紹介しない」。

 自社の社員が求職者と面談することでスクリーニングして、その求職者を企業に紹介する流れだ。同氏は自社のことを「アナログな会社」と表現しているが、このポリシーこそ同社が求人企業、求職者双方から信頼され続けている1つの要因だ。

会った人しか紹介しないのが、当たり前のように聞こえるかもしれないが、他の人材紹介会社の中には求職者に実際に会わずに、履歴書だけ読んで紹介する企業も多くあるのが現実だ。履歴書、職務経歴書などの書面だけでやりとりする方が多く求職者をさばけるが、そのぶん企業が採用したあとその求職者が勤務を開始してから、勤務態度が悪いなどの問題がが起こることも多々ある。これは採用を担当している日系企業の担当者が、採用経験が乏しいことも1つの要因だ。


「求職者と求人企業と長く付き合いたい」23年間の膨大なデータ。

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 タイでよくあるミスマッチを防ぐ為に、同社には登録者と23年間で採用が決まった人たちの、膨大なデータベース(2016年実績で年間採用者数2,500人)があり、これが他社との大きな違いであり強みとなっている。単純にどこの企業で採用が決まったかだけでなく、その人物の人柄、能力、成果、強み、弱み、その後のキャリアまで把握している。

更に求人企業の人材までも把握している。現在A社にマネージャーが3人いて、彼らの出身大学、年齢、人柄等までデータベースがある。特に年齢はタイにおいて非常に重要なことで、マネージャーとして若い人を紹介して、その部下が年上だと組織バランスが崩れかねないので、紹介先の人員の年齢層の把握は必須と言える。

これだけのデータベースがあるのも、採用が決まったからそこで終わりではなく、「求職者と求人企業と長い付き合いをしていきたい」という同社の方針からだ。


タイでの採用のポイント「組織の年齢バランス」「พี่(ピー)น้อง(ノーン)の関係」

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 タイ人を採用する際のポイントの1つは組織の年齢バランスだ。タイでは年上を敬う長幼の文化が強いので、年上の新人はまずあり得ないこと。年齢と役職が比例していないとどうなるかというと、年下の経験者が年上の新人に仕事を教えることが難しく、組織がうまく回らなくなってしまう。

日本だと年齢が若くても、立場が逆転する採用は近年増えてきているので、その感覚のままタイにきている駐在員が、年齢バランスを考慮せずに組織編成をしていこうとすると、うまくいかないケースが多い。特に、中小企業でタイに進出してきた企業だと、駐在員が1、2人くらいで人事部出身者ではないので採用経験が乏しく、人材の見極めができないという現実がある。

タイ語で年上を呼ぶときは、「พี่(ピー)」、年下を呼ぶときは「น้อง(ノーン)」という。タイで組織を作るときに、この「ピー・ノーン」の関係を考えると、組織の年齢バランスが重要なことが分かってくる。タイの職場で年下が年上に仕事を教えることはまずない。にも関わらず、それを考慮せずに採用してしまい、年長者であるがために誰からも仕事を教えてもらえず、退職してしまうというケースもあるという。そのため同社では人を紹介する際に、採用後の組織の年齢バランスまで考慮して紹介しているのだ。特にタイ進出後に人件費を抑えようと、若すぎる人を採用してしまうパターンがよくある失敗だ。

例えば、タイで会社設立直後に23歳くらいの、日本語学科を出た優秀な女性を総務課として採用する。しばらくして、その次に営業職で30歳の人が採用すると、その23歳の人は30歳の人に仕事を教えられない。そして、30歳の人は業務のことが何も教えてもらえず退職してしまうのだ。最初に年齢バランスをしっかり考えて、計画的に採用を進めていかないといけない。ただ年齢は重要だが実力がついてくれば、組織の中で給与が年長者に追いつくのは問題ない。

つまり「年齢は若いけどこの人頑張っているから給料上げても良いよねと周りの社員が認めていれば良いということ。でもまわりが認めてない年下の社員が、日本人上司の裁量で他の社員より昇給するっていうのはなし」ということ。そういった状況なので、○○のコンサルティングファームから優秀な人材が、ヘッドハンティングされて、いきなり高給で管理職のポジションで、採用になることは勧めない。

ただ年下の人が入ってきて3年経つと彼女の方が、年長者より給料が高くなっていることは問題ない。この人はそれでも年上の人を敬っている。年配者を敬う気持ちはなくならないのだ。


採用失敗の原因は説明不足

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 ずばり「採用失敗の原因は説明不足だ」と同氏は言う。

求職者側からすると「話が違う」ということになる。実際のところは説明不足というより、そもそも説明をしていないことが多い。日系企業の採用担当者は「これは常識だから言わなくても分かるだろう」と説明していないケースが多いのだ。

逆に言えば説明をすることで、このミスマッチは減らすことはできる。日本人同士だと同じ言語だから「1いえば10わかる」ことを期待するが、タイ人との場合はそもそも言語が違う上に、文化が違うので1説明したら1しかわからない。日本人が期待するようにはならないので、同じ目線で1からすることが大事。

具体的には例えば、採用後配属先の直属の上司や同僚に対しての紹介だ。これをしていないことで、勤務初日に自分たちの部署の机に座っている新人に対してのコミュニケーションが上手く行かず、新入社員の方は「あの人達とは合わない」と言って1,2日で辞めてしまうことがある。事前に一緒に働く人が、どんな人たちなのか知っておくことで、こういう問題は確実に起きにくくなる。


長く同じ会社に勤めてもらうために。通勤時間は必ず細かく把握する

 他の採用失敗の原因としては通勤時間が挙げられる。

「タイの人達は努力ができる人が多いが我慢はあまりしない。」片道1、2時間通勤時間に時間をかけていると、何か良くない事があった時にそれが退職の引きがねになってしまう。常に良い関係だったらいいけど「今日会社で理不尽なことがあった」と思いだすと、辞めたくなってしまう。人間だから気持ちの浮き沈みもあるので、帰り道でそういう事を考え始めると、「やっぱり近いところで職場を探そう」となる。

同社では通勤時間に関してはかなり細かく確認するという。通勤に時間がかかってしまうと、気持ちが沈んだ時に辞める口実を作るようなもの。あげなくていい口実ははじめから作らない。これが長く同じ会社に勤めてもらう1つの施策だ。タイでの採用経験がない人は、この通勤時間の重要性に気づかずに、「英語、日本語堪能だから採用しよう」と採用して、あとになって片道1時間半も通勤時間にかかっている事を知る。

同社ではこのような採用後の失敗を防ぐために、求人企業からは組織の年齢バランス、採用された場合の配属先の上司と部下について、求職者からは通勤時間含め双方からFace to Faceで細かくヒアリングすることで、ミスマッチの確率を最大限低くしている。長年タイで人材紹介業を展開している同社だからこそ、採用の失敗例も多くみていて、ただ人を紹介するだけではない、タイ人の文化に根付いたコンサルティングができる。このコンサルティング力こそ、同社の他社との差別化になっている。

「社歴と年齢」「50点満点の計算問題」が自社採用の秘策

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 転職が激しいタイで23年間もの間、人材紹介事業を行ってきた同社が、一体どのように自社採用をしているかというところは、誰もが気になるところ。自社採用の秘訣については、「大事にしていることは年齢。社歴と年齢が並ぶということはとても大事なこと」。やはり年齢を大事にするという点は、自社の採用でも同じ。

その一方で、面接の際に必ず行う事が、「50点満点の2桁の足し算と引き算」だ。全く同じ内容のテストを同日に2回受け、40点以上がボーダーライン。この試験で計算力や頭の回転の速さを見ている。複雑な計算やデーターの管理は、全て機械がやってくれる時代だが、日々の社内での業務では、こういった基礎的な能力が非常に重要とのこと。こういった面接方法を、同氏は他の会社にも、ぜひオススメしたいとのこと。

長く自社で働いてもらうための福利厚生として、いくつもの施策をしているという。併設のカフェの飲料は社員は全て無料。更に1週間に1回、同じフロアにあるマッサージ店で業務時間内にマッサージが受けられる。これはデスクワークがメインの社員に対してのケアの一環だ。また業務終了後に日本語を学びたいタイ人社員は、17:45〜18:45に日本語講座を受講できる。講師はすべて日本人社員だ。

その授業では部署を横断して、スタッフが交流する機会にもなっており、会社の雰囲気作りの一環にもなっている。TOEIC、日本語検定、タイ語検定などの語学学習の受験費用は100%会社負担。もちろん点数に応じての語学手当を支給している、他には食事会を月に1,2回、本を1人1人に配ってグループに別れて、読み合わせも行っている。

タイ人はやはり楽しくないと働かないし実力を発揮しない。いかに楽しく仕事をやるかという部分で小さな施策をたくさん打っている。」タイ人スタッフ65名、日本人スタッフ15人の大所帯でありながら、ほとんど離職することがないというPERSONNEL CONSULTANT社。その理由は確かな採用方法と、働くことが楽しくなるような福利厚生、そして会社全体を巻き込んだコミュケーションにあるようだ。


タイ人の持つサバイサバイ精神

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 タイ人の根本にある精神であるサバイサバイ精神が、仕事を選ぶ時にやはり大きく関係していて、一昔前は大企業志向が強かった反面、独立志向も強かったと小田原氏は話す。タイ人の独立精神は他の国の「一旗上げてやろう」という起業家精神とは違い、企業で働く上で「様々なルールや理不尽な上司に縛られるのが嫌だ。だから独立したい」という種類のものだったそうだ。

だからサバイサバイになれる信頼できる強い上司がいて、絶対潰れない会社だとわかっていたら、絶対にそこを選ぶというのがタイ人の考え方。また大企業でなくともベンチャーや中小企業で働いた方が、「自分でルールを作れる」という意識もある。日本人ほどタイ人は中小企業で働く事を嫌がっておらず、その事は今後タイに進出する日系の中小企業に朗報だ。実際にベンチャー企業で働きたいという、タイの若年層は増えつつある。


今後のタイの人材市場の展望とあるべき姿。PERSONNEL CONSULTANT社の展望

 近年人材業界にもJobsDBを代表とする、IT企業が参入してきており、その割合がどんどん増えてきている。そんななか小田原氏、「アナログな部分はこれから先も残っていく。PERSONNEL CONSULTANT社としてはこれまでアナログな、人と人の部分を突き詰め深堀りをしてきた。

ITはお金を持っているところがやっぱり勝ちだから、弊社としてはアナログの部分をもっともっと深堀りして、できるところをやっていかなきゃいけないと思ってます」と。これからも自社の強みを活かして突き進んでいくという、強い決意が感じられた。

タイ企業への対応については、「タイの国自体が発展し以前と比べてタイ企業が強くなってきている今、そちらへの対応を何か考えなければいけない。タイ人学生の希望就職先も最近は日系企業よりタイ企業の方が多い。その中で日系企業がどうしていくか。力をつけているタイ企業はここ10年ほどで出てきた会社が多い一方で、日系企業の強みは60年以上の歴史を持っている会社が多いこと。その実績と経験を強みとしてもっと生かしていくべきだ。」

「採用について考えた時、勤務開始前より後のケアのほうが大事です。皆様、採用する時には時間をかけ、お金をかけている割に雇用の継続に対しての思いの比重が、少ないように感じます。せっかく手間隙をかけて採用した人材が退職し、その後また人材紹介会社に2ヶ月分かそれ以上の費用をかけて採用活動を行っています。

それならば、雇用した人材に1ヶ月分でもかまわないから、費用をかけて教育するとか、福利厚生の充実を図って長く働いてもらったほうが良いです。少なからず先輩たちが時間をかけて教育もしているでしょうし、経験値も上がっているはずなので、結果的には会社のためになります。

 現在、アソークに本社がありますがバンコク郊外在住の求職者は今、わざわざアソークまで登録に来てもらっています。日系企業の東部地域への進出と拡大は続いているので、企業のためにも求職者のためにも近い将来、東部地域に支社を置くことも検討しています。

最後に、「中小企業にせよ大企業にせよ採用時に必要な事は、タイ人の目線に合わせて彼らが長く働き続けれるような施策を企業が作って行くことが大事です。」と締めくくった。


【企業情報】

企業名:PERSONNEL CONSULTANT MANPOWER(THAILAND) CO., LTD.

住所:L, UL FLOOR Interchange 21 Bldg, 399 SUKHUMVIT ROAD, KLONTOEY NUA, WATTANA, BANGKOK 10110 THAILAND

【お問い合わせはこちらから】

TEL 0-2260-8454(代表)FAX 0-2260-8360-1

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