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タイの商標制度について その2【タイの知的財産権コラム第5回】

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 前回に引き続き、タイの商標制度についてご説明します。

前回は、商標の最も基本的なポイントである、

①商標権は「商標」と「指定商品役務」との組合せであるという点

②商標の最も重要な機能は、他人の商品と自分の商品を区別する機能であるという点

をご説明致しました。

今回は、タイの商標制度に関するその他の点(特に実務的な諸点)について、よくお問い合わせいただく点を中心に、Q&A方式で紹介したいと思います。

実務的なタイの商標制度についてQ&A方式

Q.タイで商標出願する場合、費用はどの程度必要ですか?

A.1区分の出願の場合、概ね約13万円~20万円程度かかります(代理人費用・公的費用含む。費用は指定する区分の数、拒絶理由通知の有無等によっても変わります)。

 具体的には、まず、出願時に1指定商品あたり1,000バーツ(6指定商品以上を記載する場合は一律9,000バーツ)、登録時に1指定商品あたり600バーツ(6指定商品以上を記載する場合は一律5,400バーツ)の公的費用がかかります。

 また、公的費用に加えて、代理人に依頼した場合は代理人費用がかかります。この点、日本の特許事務所に依頼した場合、通例、日本国内代理人費用とタイ代理人費用が二重に発生するため、費用が高額になることが多いです。

 なお、我々TNY国際法律事務所はタイに事務所を構えておりますので、代理人手数料が二重で発生することはありません。日本人スタッフとタイ人スタッフが密に連携して、リーズナブルな価格で、日本語によるワンストップのサポートを提供させて頂いております。 

Q.タイでは、商標出願から登録までどの程度の期間がかかりますか?

A.拒絶理由がなければ、概ね10ヶ月~1年程度で登録になります。

Q.タイの商標を検索したいのですが、データベースのようなものはありますか?

A.タイ特許庁(DIP)のデータベースで検索可能です(ただしタイ語のみ)。

https://www.ipthailand.go.th/th/e-service/%E0%B8%A3%E0%B8%B0%E0%B8%9A%E0%B8%9A%E0%B8%88%E0%B8%94%E0%B8%97%E0%B8%B0%E0%B9%80%E0%B8%9A%E0%B8%B5%E0%B8%A2%E0%B8%99%E0%B9%80%E0%B8%84%E0%B8%A3%E0%B8%B7%E0%B9%88%E0%B8%AD%E0%B8%87%E0%B8%AB%E0%B8%A1%E0%B8%B2%E0%B8%A2%E0%B8%81%E0%B8%B2%E0%B8%A3%E0%B8%84%E0%B9%89%E0%B8%B2-e-filing.html

 また、収録されている範囲は限定されますが、日本国特許庁のデータベースでも検索することができます。

https://www.foreignsearch.jpo.go.jp/noservice.htm#controlContainer

 ただし、商標調査には専門的な知見が不可欠ですので、上記データベースを用いて安易に自己判断されることは大変危険です(特に侵害の有無を判断する場合)。上記を用いた調査はあくまで参考程度に留めて、本格的な調査は専門家に相談されることをおすすめします。

Q.一出願で多区分を指定した出願はできますか?

A.以前はできませんでしたが、近年(2016年7月)の法改正により可能となりました。

Q.マドリッド・プロトコルによる国際出願(マドプロ出願)はできますか?

A.2017年11月7日から可能となりました。

 マドプロ出願とは、ある国に対して行った商標出願を基礎とした国際出願を行うことにより、複数国へ出願するのと同等の効果を得られる、という便利な制度です。多数の国に同じ商標を出願したい場合、経費の面や権利化後の管理の利便性において大きなメリットがあります。

 タイのマドリッド・プロトコル加盟により、例えば、日本で行った基礎出願・基礎登録をベースに国際出願を行い、当該商標を米国、中国、韓国、欧州、そしてタイに一元的に展開する、といった手法を採用することも可能になりました。

Q.その他、タイ出願について注意すべき点はありますか?

A.委任状を提出する際、日本国の公証人による公証が必要となります(なお、弊所に依頼される場合、公証取得手続についても代理してサポートさせていただきます)。

また、類否の判断や一般名称か否かについて、日本とは異なっている点に注意が必要です。

以上、タイの商標制度について、実務的な面を中心にご説明させて頂きました。

タイでの商標出願をご検討の際は、お気軽にお問い合わせください。

本コラムは、次回が最終回となります。

最終回では、タイの著作権法についてご説明させて頂く予定です。

共同代表 日本国弁護士・弁理士 

永田 貴久

タイにおける商標・特許等の出願、知的財産権の権利行使その他の知財業務のほか、会社設立、労務対応、合弁契約書等の各種契約書の作成、M&A等のタイ法に関するサービスを提供。

HP: http://www.tny-legal.com/ 

TEL:+66(0)2 117 0798

問い合わせ先:info@tny-legal.com

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